作品に対してのバランスの取り方

ひらたです。


○沖縄メトロ・アルバイト開発ブログ スタジオジブリの仕事のやり方
http://okinawametro.blog47.fc2.com/blog-entry-9.html


前回の記事で、

「誠実で才能のある人を立てて、
 その人をみんなが助けて作る」

のが大事だと、大塚康夫さんの言葉でした。



では、情熱のある人に全てを託して、
妥協のない完成品を作れば大ヒット間違いなしでしょうか?


もちろん現実には「予算」と「締め切り」があります。


いくら情熱を傾けたくても、完全に思い通りになるわけではない。
ゲームでも映画でも、もの凄く情熱と予算をもって作られたソフトが
ビジネス的には赤字で、会社が傾いたということもままあります。。


今はジブリのアニメも2年越しとかになってきましたが、
わずか、4ヶ月で作ったルパンの「カリオストロの城」という名作のときの話。




○ほぼ日刊イトイ新聞 - ジブリの仕事のやりかた。
http://www.1101.com/ghibli/2004-07-23.html



鈴木
大塚康生さんが
作品に関わったときのエピソードで
驚いたのは、
映画『ルパン三世 カリオストロの城』での
仕事のやりかたなんです。

この作品は宮崎駿の出世作ですが、
大塚さんはこの映画の作画監督という
「絵の責任者」をつとめたわけです。

宮さん(宮崎駿さん)というのは
とにかくまじめで神経質な人ですから、
とにかく絵をたくさん描くじゃないですか。
若い人が描いたものも、
ずいぶんたくさん修正を入れる。

大塚さんの役割は、
そこで宮さんが描きなおしたものを、
清書することなんです。
それが作画監督という
仕事のひとつの側面なんですね。

だけど、彼は……気分でなおすんですよ。
つまりどういうことかと言うと、
「気分が乗ったときは清書をする」という。

気分が乗らないと、
宮さんが直したものを捨てちゃって、
直さないでまわしちゃうんです。
そうすると、宮崎が
できあがった映像を見て
びっくりするわけですよ。

「直ってないよ、オオツカさん!」
と言われても、
「でも、もう時間がないんだからさぁ」
と押しきる。そういう人なんです。
「そうじゃないとできあがらなかった」
と、本人はあとで言っているんですけど。


糸井
それはそれで、
ほんとうのことなんですか?

鈴木
ほんとうなんでしょうね。

『カリオストロの城』というのは、
4か月という、非常に短い期間のなかで
作らざるをえなかった作品ですから。

ただ、そうであっても
「宮さんは、まじめだからなぁ。
 こんなことをぜんぶ直したら、
 なかなかできないよね?」

と、どんどん仕事を進めてしまったり




なんというww


ジブリは
プロデューサーの鈴木敏夫さん、
作画監督の大塚康夫さんという、
周りの天才に支えられて成り立ってるのかもしれませんね。


ゲームでも、
「情熱で理想を追い求めるディレクター」と
「予算とのバランスを取れるプロデューサー」の両方が大事かもしれません。



もひとつ。
予算のバランスも大事ですが、
「作品のバランス」というのもあると思います。


とても凄い監督が、凄く難解でレベルの高い作品を仕上げると
これを読み解ける人も、レベルの高い観客に限られてしまう。

アカデミー賞を受けるような作品に多いのですが、
もの凄く深く、玄人受けはするものの、一般の観客からみたら難しすぎて眠くなってしまう。
映画を芸術と捉えるならそれもありかもしれませんが、
こと「商業作品」として見るとお金を出す企業としては失敗です。


○ほぼ日刊イトイ新聞 - ジブリの仕事のやりかた。
http://www.1101.com/ghibli/2004-07-19.html

鈴木
たぶん、宮崎駿の
タガがすべて外れてしまうと、
映画のお客さんも
よろこばないんですよね。

あのバランス感覚は、
いつもすごいと思うし、
それこそが宮崎アニメの
ヒットの秘密だとぼくは思っているんです。

あれだけヘンな人なのに、
最後には、いつもかならず
常識のあるものにしあげますから。

糸井
ギリギリで揺り戻すんだ。

鈴木
常識人の面も、あるんです。
高畑勲さんから聞いた
エピソードなんですけど、
昔、高畑さんと宮崎さんは、
東映動画という会社にいた頃に、
一緒に組合運動をやっていたんです。

そういうことを
「みんなのためにやる」
という時代だったんだけど、
宮さんはすぐに
「あいつとあいつとあいつとあいつは、
 ほんとは仲間に入れたくない!」
とか言い出していたそうです。




宮崎駿のコミック版「風の谷のナウシカ」があるんですけど、


風の谷のナウシカ〈1〉 (1984年)
風の谷のナウシカ〈1〉 (1984年)宮崎 駿


詳しく見る



これは字も多いし、絵も少し見づらいと思うし、話も難しいし、
普通の人にオススメしても読まないかもしれません。
(あくまで個人的感想)


ところが、映画は全然面白い。
誰にでもオススメできるぐらい楽しい。

コミック版は結構玄人受けするかもしれませんが、
やはり商業的には映画のバランスの良さが一番だと思います。



一概に比較はできないものですが、
映画でのバランスの取り方が、やはり神がかってる。
理想を追い求めつつ、みんなにわかりやすい映画。


このバランスの取り方というのは、
宮崎監督が東映時代から手がけてきたアニメにあるんじゃないでしょうか?


つまり、
「子供に向けたアニメで、自分の理想の表現をどこまでも追求する」という、
「子供」をターゲットから外さない上での理想の追求が
神がかりなバランスを保てる秘密じゃないでしょうか?


作品や、情熱が暴走したとき、
「これは子供でも楽しんでもらえるか?」というのは大事な質問かもしれませんね。

テーマ : ゲーム製作 関連 - ジャンル : ゲーム

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する